Photo Essay

2024.03.31のフォトエッセイ

誕生日祝いで弟からもらっていた、ソウ・エクスペリエンスの選べるコーヒーギフトで、福岡のロースタリー「COFFEE COUNTY」のコーヒーを取り寄せた。
コーヒーにハマっていた時は自分で焙煎して電動ミルで挽いて淹れていたけれど、度重なる引越しで色々処分したので、粉に挽くところまでお店にやってもらった。
袋を開けた瞬間、これぞエチオピア!という感じのダークチェリーの華やかな香りがぶわぁーっと鼻腔に飛び込んできて、これだよコレ!と興奮。こんな本格的で華やかなコーヒー、久々だ。
日曜の朝、ひさびさに仕事を持って帰ってきたので、コーノ式のドリッパーで丁寧に淹れて、モーニングコーヒーを味わい、スイッチを入れる。
空きっ腹にコーヒーはよくないそうなので、余ってたさつまいもを使って大学芋を作った。2度揚げしたのでカリッカリで美味しい。
昔の東大生に人気でその名がついたと言われる大学芋。さつまいもってほんと低コストで満足感高いしすごいよなあと。

さつまいもといえば今でも思い出すのは、独立開業した年のこと。
前の職場で法人トップの受任率を誇っていた俺は、独立したら当たり前のようにガンガン稼いで普通に成功すると思っていたけれど、全くそんなことなくて、頑張っても頑張っても不思議とうまくいかず、力の抜きどころもわからず、不安ばかりで、依頼者も今と違って相性の合わない人も多くて、ストレスをたくさん抱えながらも借金だらけで金策に走る毎日。
そんなときに、マルエツ関内店で買った焼き芋を持ってふらふら歩いて、もう色々やめたいなとか思いながら、福富町西公園の小高い丘の上のベンチに座って、都橋や福富町のディープな街並みを見ながらひとりで焼き芋を食べていたのを思い出す。

気づけば今日で開業丸5年が経って、明日から6年目。弁護士としては11年目になるけれど、個人的には独立してからの年数の方が感慨が深い。弁護士としてというより、ひとりの人間としてという意味で。

今まで本当にいろんなことがあったけれど、今までの人生はウォーミングアップ。ここからが本番。
絶望を乗り越えた先に見える世界があった。

正直、楽しみしかない。
肩肘張らず、軽い波動で、精一杯全力でいまを生きる。