Photo Essay

2024.07.30のフォトエッセイ

これがなんだかおわかりだろうか。
ココスのベストセラー、包み焼きハンバーグである。
実は、物心ついた時から今に至るまで、ハンバーグが嫌いで食べられなかった。においとか食感とか、理由は色々あるんだろうけど、最近「ココスの包み焼きは美味いよ!」とすすめられて、今までだったら無条件に拒絶していたのに、なぜか食べてみたいなと思い、休日にいっぱい並んで食べたところ、普通に美味しくてびっくりしてしまった。しかも、ハンバーグってジューシーだけどもたれないんだな、おなかにもやさしそうだなと気づいて、ステーキやカツではなくて積極的にハンバーグを食べたいと思う理由も生まれた。
あれ、なんで俺ハンバーグ嫌いだったんだろ?
結局、「ハンバーグ嫌いな自分」をアイデンティティとして後生大事に抱えこんでいただけなんだろうなと。
ハンバーグ克服は、個人的にとても嬉しかった出来事。

もうひとつ、後生大事にしていたこととのお別れといえば、エレベーターでのボタン押し係。ボタンを押して「どうぞ」と譲る役を自然と引き受けることが多くて、小さい頃から、もはや呪いのようになっていた強迫観念。女性とふたりきりのときとかは「レディファーストしないとダメ男と思われるよ」とエゴが囁く。
けれど、ランドマークタワーで働くようになってから、そういう気遣いって不要どころか逆に迷惑だとわかるようになった。みんなスマホ見ながら下向いてるし。
とにかく、周りの人に無駄な気遣いやコミュニケーションをさせないために、さっとドアの前に行って一瞬で降りて、誰にも迷惑をかけない。「どうぞ」「ありがとう」なんてコミュニケーションは、自然にそういう流れになったら取ればいい。
子どもの頃から染みついた謎の好き嫌いや強迫観念。取り払っていくと、開放感があって、自分をもっと好きになれる気がした。