横浜の風景

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2020年1月26日

成長の証明

アイキャッチ画像 雑感

こんなにも感慨深くない誕生日は初めてだった。

それは、良い意味で。

誕生日だからといってご馳走を食べたわけでも何かを買ったわけでもない。前に投稿した「好事も無きに如かず」じゃないけれど、いつも通りの休日を過ごしただけだ。

去年までは一つ歳を取れば自分が成長したことをわかりやすく感じることができると思っていた。実際そうだったのかもしれない。様々な自我が無秩序に、時に無遠慮に暴力的に交錯する組織の中で、自分の本当の姿が何なのかなんてわからないからだ。年齢と経験年数だけがわかりやすい成長の証明だ。

独立した今は、否応なしに毎日自分と向き合わされているから、3歩進んで2歩下がる感じではあるけれど、反省しながらも着実に成長していると実感できていて、年齢を考える意味すらなくなっていた。

加えて物欲もないので、誕生日祝いで何が欲しいとかもない。白砂糖の摂取で暴食の引き金を引くのが怖いのでケーキも望まない。LINEをはじめ、ありとあらゆるSNSをやめているから、今年は気軽に誕生日おめでとうなんてメッセージをくれる「友だち」もいない。

●●歳になりました!とケーキと一緒にお祝いしてもらっている自分の写真を載せて、一年の抱負を載せて、別に1年に一回も会っていないような「友だち」から感情のない指先の微細な運動だけで「いいね」をたくさんもらって、何かそれで心が満たされるだろうか。自分は変わるだろうか。

嫌味を言いたいわけでも卑屈になっているわけでもない。人の行動に口を挟むつもりは全くない。それぞれの人生の形がある。幸せの定義がある。自分だって去年まではそうしていた。ただ自分にとっては霧が晴れた心地がして、ふとそんなことを考えただけだ。

今日何よりも心が動かされたのは、朝息子を遊ばせに公園に出た時に、ピーヒョロロロとトンビの鳴き声が聞こえて、ふと空を見上げると、広い空でただ一羽のトンビだけが悠然と飛んでいるのを見たことだ。

えも言われぬ心地にとらわれて、冷たく刺すような風の中で、僕は少しだけ目を閉じた。



saitoyuta
弁護士

横浜・桜木町を拠点に活動する弁護士。5年3か月の勤務弁護士時代を経て独立開業。一児の父。精通分野は交通事故(被害者側)。

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