横浜の風景

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2020年9月14日

夏の終りのハーモニー

アイキャッチ画像 好きなもの

(無駄に)緑に囲まれた我が家。とにかくまあ虫がよく出るし、去年の夏はなぜかベランダでボラが死んでいるという珍事件もあり(過去記事「窓の外のポニョ」参照)、もう何が起きても驚かないぞと思っていた……の、だが。

さっき夕飯後に黒い湯飲みに入っていた麦茶を飲もうと思ったら、なんかモゾモゾした大きなものが口にくっついてきて、「ん?茶葉かな?」と、パック麦茶で茶葉なんて入ってるわけないのだが、お茶を飲んでいる時に一緒に流れてくる物体として唯一想像できるものがそれしかなくて、でも見てみるとなんとコガネムシ。思わずブーッと漫画みたいに麦茶を吹き出してしまった。あのねえ君はなんでこんなところに入ってるんですかね。

すっかり夜は秋めいてきて、井上陽水と安全地帯の「夏の終りのハーモニー」を歌いたくなり、クラシックギターを手に取る。玉置浩二がナイロン弦で弾き語りをするので、すっかり影響されてしまった。

息子が日中いじってしまったのかしらないけれど、帰宅したら弦が一本切れていたので、久々に張り替えることに。

弦を外して、ボディやフレットなどを磨いてあげる時間がとても贅沢で心地よい。

忙しいと弦を張ることが面倒なことに思われてしまうのだけれど、少し心に余裕がある時だと、弦を張るという作業自体を贅沢な楽しみとして感じられるようになる。

クラシックギターのナイロン弦のチューニングというのは、なかなかどうして面白い。エレキもアコギも弾くし、とりわけエレキはフロイドローズやらウィルキンソンやらチューンOマチックやら、とにかく「狂わない」ことを徹底的に追求したシステムがあるから、一度しっかりと張ってしまえばすぐにピッチが安定するのだけれど、クラシックギターは、「よくもまあこんなので固定しようと思いましたね」というくらい、かなり大雑把でゆるい。ナイロン弦自体ゆるゆるだし、だから次の日になっても平気でピッチが狂う。根気よく伸ばしながらチューニングをする。だんだんハリのあるキラキラした音になってくる。これがまた興奮するのである。

息子が気に入っている絵本で、スモールさんという紳士がお気に入りの赤いクラシックカーの手入れをしてお出かけして、パンクして修理して、というだけの内容の本があるのだけれど、別にたいしたオチもないし盛り上がりもないのに、男心をぐっと掴むのである。妻はこの絵本を読み聞かせた時、「お、おう」と思ったという(笑)

男が、女が、なんて一般論は例外もたくさんあるし、終わりのない話だから意味もないと思うけれど、自分は、コミュニケーションが好きで地図が読めないところは「女性的」で、こうやって黙々好きなものをいじってニヤニヤしているあたりは「男性的」だなと思う。

※女性的、男性的に括弧をつけているのは、これが巷で一般的に言われているだけのことでしかなく、自分の見解ではないからです。

こういうことを書かなきゃいけないから、男が女がなんて話は好きではないのだけれど、ギターを磨いている自分に「男の美学」を感じたいし、「女心」って素敵だなって思ったりもする。ジェンダーフリーになっていくことは良いことだと思うけれど、こういうニュアンスは何か別の言葉に置き換えてでも、生き残ってほしいなとは思う。

つらつらと好き勝手書いていたら、コガネムシがくっついて不快だった口元の感覚が元に戻ってきたので、夏の終りのハーモニーを歌おうと思う。ハモってくれる人がいないので、一人で。これも男のロマンかな。


saitoyuta
弁護士

横浜・桜木町を拠点に活動する弁護士。5年3か月の勤務弁護士時代を経て独立開業。一児の父。精通分野は交通事故(被害者側)。

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