横浜の風景

ブログ

2019年7月27日

シュトラウス

アイキャッチ画像 情景

青森に出張に行ってきた。

日帰りの難しいスケジュールだったので前乗りして一泊。1時間に1、2本しか来ない在来線の関係で移動も待ち時間が長い。でもそれがいい。3分に一本くる丸ノ内線は便利だけれど不幸だ。

空き時間に行きたかった場所へ。出張の時には「地名+カフェ」で食べログをチェックするのが習慣になっている。ほんとはネットに頼らず自力で探したいのだけど、横浜の店ならともかく、出張は時間も限られているので、仕方ない。

百名店になっているウィーン菓子「シュトラウス」のカフェサロン。ウィーンの店と見まごうようなシックで洗練された店内で、店員や客の青森弁が静かに響くのが不思議に心地よい。

一番人気のザッハトルテとメランジェのセットを注文する。ブラックコーヒーの苦味に逃げられない、逃げ場のない甘さ。でも上品でとても美味しい。これは近所にあったら通っちゃうな。横浜地裁の近くにも似たような雰囲気のカフェはあるけれど、旅先でゆっくりと味わうカフェタイムは別格だ。

自分はその時何者でもないから。

Kindleで最近小説を読んでいる。紙の文庫派だった自分もすっかりKindleに慣れてしまった。いい歳こいて今更ながらにヘッセの「車輪の下」。いや、今だからこそ、なのだ。高校時代に読んだときの記憶はすっかり無くなってしまっていた。今、息子がいて、自分自身も挑戦していく、このタイミングだからこそ、なのだ。

ドビュッシーのアラベスクが流れる店内で、本を読みながらメランジェの泡を眺めていたら、ふと詩が降ってきたので、万年筆でノートに書き留める。

ウィンナーコーヒーのミルクの泡が
ピアノの音をはじいて 吸い込んで
揺れながら 消えながら
うたかた うたかた
今だけは あますぎる ザッハトルテを

筆を置いて眺めて、あーやっぱ自分は天才だなーと自己満足。

詩は天才だと自己暗示した者勝ち。恥ずかしがったって誰も得しない。どんな詩だって輝くんだ。言葉だもの。もちろん、「カムチャッカの若者が〜」なんて始められたらこれは超天才の仕業だなと誰もがわかるだろうけど、生業にするわけでもない、自己満足の小市民はこれでいいのだ。

臆病な自尊心と尊大な羞恥心。自分はずーっとそうだった。健全な自尊心と健全な羞恥心を持ちたい。

例によって例のごとくスタミナ源たれはしっかり買って横浜に帰る(笑)

青森また行きたいな。


saitoyuta
弁護士

横浜・桜木町を拠点に活動する弁護士。5年3か月の勤務弁護士時代を経て独立開業。一児の父。精通分野は交通事故(被害者側)。

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